金融商品を選ぶ時のココロ得

其の一: トレードオフの関係

天秤

金融商品を選ぶ時には、『トレードオフ』という言葉を把握しておきましょう。

『トレードオフ』とは、ひとつのメリットを追求すれば、もうひとつのメリットを犠牲にせざるを得ないという状態や関係のことです。

金融商品には、『換金性』、『安全性』、『収益性』という3つの性格がありますが、ひとつの商品でこの3つの性格を満たす商品は存在しません。

『換金性』とは、その金融商品が、どのぐらい自由に現金に換えることが可能かを表します。
いつでも好きなときに、すぐに現金に換えることができて、解約手数料等が不要な金融商品は換金性に優れていると言えます。
代表的な商品は、普通預金です。

『安全性』とは、当初支払った金額が減ることなく確実に戻ってくるかどうかを表します。
安全性に優れている商品とは、いわゆる元本割れが殆どない商品です。
銀行の預金や、養老保険、元本確保型の変額年金等があります。

『収益性』とは、どれだけ元本より殖やせるかを表します。
収益性の高い金融商品の代表は株式です。

金融商品を選ぶ時に、『安全性』を追求すると、高い収益は望めません。
銀行預金は株式よりも元本が保障されていて安全ですが、期待できる収益はごくわずかです。
逆に、『収益性』を追求すると、元本割れが起こる可能性が高くなります。
金融商品の『安全性』と『収益性』は“トレードオフの関係”にあるといえます。

また『換金性』を追及すると、高い収益は望めません。
普通預金は定期預金に比べて換金性に優れていますが、もらえる利息は少ないです。
逆に『収益性』を追求すると、いつでも好きなときに換金できない可能性が高くなります。
同様に金融商品の『換金性』と『収益性』も“トレードオフの関係”にあるといえます。

金融機関から無数の金融商品が発売されていますが、この『換金性』、『安全性』、『収益性』全てに優れた商品は存在しません。
もし、『高収益でしかも元本が保障されている』などとうたった金融商品があるとすれば、恐らく詐欺だと疑ってみましょう。

この金融商品の性格のトレードオフの関係を把握して、自分の目的にあった商品を選ぶようにしましょう。

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